欲ばり過ぎるニッポンの教育

「欲ばり過ぎるニッポンの教育」(苅谷剛彦増田ユリヤ 著)
通勤電車でちまちま読んでたのでやっと読了。PISA1位のフィンランドの教育は世界中から注目されているけれど、学校で特別な教育が行われているわけではないとのこと。日本と違うのは、教師になるには修士号取得が必須で、副業をもっているほうが歓迎される。最も大きな違いは、フィンランドの人口は東京都民の半数(日本の人口の20分の1)ということですけどね。それとかなり厳しい絶対評価が行われていること。絶対評価の中で自分の能力を冷静に客観的に判断して自分の将来を考えるという生き方を国民が受け止めているんだなと感じました。私自身はテストは自分の理解度・到達度を知るためのものだから、自分の点と平均点を比べるのは無意味だと子ども心に思ってました。本当に生意気な子どもでした。

著者の一人、増田ユリヤさんは「世界一受けたい授業」に世界史の先生として出られている方だということに先週やっと気づきました。印象的な名前だし帯に写真もあるのに、鈍すぎる私。確固とした所属を持たずに仕事をしているという記述が気になって著者紹介を見ると高校の非常勤講師でフリーで教育問題の取材などもされているとのこと。ご本人いわく世の中の大勢の流れから外れた生き方を、苅谷さんはひとつの組織に所属しないで自分で学び続ける力で生きて行く21世紀型の典型としています。どこに所属しているかは無意味になるというのは、フューチャリスト宣言にもあったなあ。学会などで質問する場合、所属と名前を言ってから質問するように言われるけど、所属先が個人のバックグラウンドをカバーするという考え方なのでしょうか。でも「○○大学の××です」って言っても、学生なのか教官なのかはわかりません。ちょっとした個人情報を押さえて、変な質問をさせないための牽制なのかも。派遣社員の私は所属先と勤務先が異なるのでときどき面倒くさいです。所属先欄にうっかり勤務先を書くと身分詐称になるのかなあ。
 
これは学校で教えるべきなのかなあと思ったこと。先週のL25で蛍光灯のしくみくらい学校で教えといてくれって話が載ってました。私は学校でしくみを習ったので、ある時期から習わなくなったようですね。L25は「点灯管」なんて知らないという内容で、確かに今は点灯管の不要なインバータ式が主流だから学校で教えなくなっちゃったのかなという気がします。でもこういうことって家庭でのお手伝いから学べることなんじゃないのかな。
 

欲ばり過ぎるニッポンの教育 (講談社現代新書)

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