ジャズとオーケストラ

白い彼岸花


まったく異なる分野なのに、どちらも「ジャズ」と「オーケストラ」を比喩に使ってて興味深い。
リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間 と
http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2007/2007-09/page06.html


ミュージアムスタッフも、ジャズ型のほうがビジターは楽しめると思います。フロアスタッフはビジターから話しかけられるためにフロアにいます。「休館日は?」というような質問なら、どのスタッフに聞いてもほぼ同じ答えが返ってきて会話はすぐ終了。一般的なサービス業ならこれでまったく問題無いです。でもミュージアム教育機関なので、興味をもった人やもっと学びたい人にはどんどん情報を提供するのが役割です。ちょっと疑問に思ったことを質問したとき、スタッフによっては質問から会話がふくらんでどんどん話が弾む場合もあれば、質問の答えだけ教えてもらって終了ということもあります。これは単にスタッフの知識量、コミュニケーション力の差だけで生じているのではなく、何となく気が合う人合わない人というのがあって、スキルではカバーできない部分もあるためです。気の合うスタッフを見つけるには、スタッフが均質化されていると難しいので、スタッフはバラエティに富んでいるのが理想です。以前名古屋の科学館に行ったとき、受付の方達が全員名古屋巻きでちょっと引いてしまいました。話せば気さくな方達なのかもしれないのに外見で判断してしまいました。申し訳ない。スタッフのバランスはやっぱり男女半々で年齢層も幅があること。でも現実には男性のフロアスタッフは少ないです。フロアスタッフの地位が低く見られているのが理由でしょう。以前勤めていたミュージアムのフロアスタッフの人数比は女性6:男性4なのに、スタッフ決定前までは男性用更衣室は準備されていませんでした。一般的に男性のフロアスタッフは想定外なのでしょう。私の場合、いつもディズニーで男女半々くらいのキャストさんを見てるためか、フロアスタッフが女性のみだと違和感を感じます。
ジャズ型がいいといっても、スタッフそれぞれが好き勝手やっていいということではないです。全体の統一感も大切なので、スタッフの個性を前面に出すのではなく、スタッフ全員がそのミュージアムの基本理念を忘れず、基本をベースに自分の個性を発揮すること。その基本理念は、リッツ・カールトンでいえば「クレド」、日本科学未来館でいえば「未来館ブランド」。日本のミュージアムは基本理念を掲げてないところも多いので、未来館が日本の科学館のナショナルモデルになればいいなと思います。といっても予算規模が他の科学館とは桁違いなので、あくまでも希望。
クレドは何度読んでも自分のものにできたという自信が持てない。現在はアルバイトやボランティアでしか接客することはないけれど、この基本理念を心に留めて、私の対応した人達に豊かな時間を提供できたらと思います。

写真は昨日撮った白い彼岸花